2008年4月29日火曜日

bw4/アップルストア銀座にてアーティストトークを開催!

4月26日(土)17:30よりアップルストア銀座店にて、「bicameral world-ふたつでひとつ-」イベントの第4回が行われました。今回は私、瀧健太郎が6人のアーティストに、通常モニターや上映会場で見せる映像作品ではなく、「都市に映像を投影するとしたら?」というテーマを与えて、それぞれが場所やシチュエーション、そこで流される映像についてのアイデアをプレゼンテーション形式で提示するというもの。アーティスト達のアイデアはまさに十人十色。新たな都市と映像の考察が行われました。
トオハジムは十字路を利用し、4つの建物にわたって繋がった映像を見せるというもの。都市空間の「間」を映像によって感じさせました。カトウチカのアイデアは、自らのプロジェクトとして継続的に行っている「水を運ぶ」というテーマに併せて、今回は人知れず存在する建物の給水タンクに魚の映像を映し出し、通常は無視している場所をいかに意識化させるかというプラン。
インドネシアでの滞在制作を終えて帰国したばかりの松本力は、新作の映像作品と、滞在先であったバンドゥンの都市のあり方と東京を比較するような体験談を語ってくれました。
佐原和人は自らの水彩画によるアニメーションをビルの窓の一つ一つに当てはめて、光に明滅によってコマ送り再生のように外に見せるというアイデアを実際の模型を使ってデモンストレーションした。空間を大胆に利用し、これを見る人においては動画の構造をも考えることができると思います。永岡大輔は、都市空間に映像を映し出すことに一つの参加性を見出し、複数の参加者によるドローイングをコマ撮りで撮影する様子を実際に新宿某所に映し出すプランを提示してくれました。また瀧は身体をある箱の中に閉じ込めたような作品「living in the box」を都市の壁面に映し出すプランを実際に行った様子を記録映像で見せました。

 今回は、普段作品のみが語られるこの分野において、視点のスケールを変えて都市や空間、そして公共性といったところまで広げて、アーティスト主体のイベントにふさわしいディスカッションが行われたと思います。
 最後に渡辺裕紀子の作曲、瀧健太郎構成による音楽と映像のライヴ演奏が行われ、ピアノに寒川晶子、笙に中村容子が演奏を担当し、細切れにされた都市の時間を思わせるようなパフォーマンスになったかと思います。感想がある方は是非お願いします!(瀧)

次回のbicameral world は7月26日(土)を予定してます!

2008年4月24日木曜日

アーティストによる都市変容のプラン提案!

詳しくは26日のアップルストアのイベントで。

bicameral world -ふたつでひとつの世界-
特集/東京・ヴィデオ・テクスチュアリング
瀧 健太郎をホストに、様々な映像作家による「都市空間を使った映像 作品」の提案をご紹介。ビルや壁面などを利用した映像を見ながら、映 像と都市の新たな関係性について考えます。また後半には、都市と映像 をテーマにした現代音楽作品の発表も予定しております。

日時:4月26日(土)17:30-19:30
会場:アップルストア銀座3Fシアター
地図:http://www.apple.com/jp/retail/ginza/map/
入場料:無料、席数84 
主催:アップルストア銀座
後援:深水社

もはや言葉は失われた? ビデオと音の共演なるか。

作曲家の渡辺さん他、二人の演奏家と、ビデオと現代音楽の融合的作品を制作中。断片的に切り刻んだ映像に、発話する寸前をテーマにした調性が重なり、時にシンクロし、離れていくようなもの。できあがりは、失語的映像・音楽作品とでも言いましょうか、不思議なものになりそうです。26日の本番に向けて、目下練習中!(瀧)

中村容子 Yoko Nakamura (笙)
1986年長野県生まれ。15歳の時、宮田まゆみ氏に笙を学ぶ。東京芸術大学邦楽科雅楽専攻に入学。笙を多忠輝氏に学び、歌物を東儀雅季氏、右舞を松井北斗氏、合奏実技を高桑賢治氏、越後眞美氏に師事。2008年卒業。

寒川晶子 Akiko Samukawa (ピアノ)1982年京都市生まれ。2001年華頂女子高等学校音楽科卒業。2005年フェリス女学院大学音楽学部器楽学科卒業。これまでにピアノを福井(旧姓 川村)真裕子・小鍛治弘美・川村春海・黒川浩・ 中川賢一の各氏に師事。現在は現代音楽を中心にピアノ演奏を学びながら、同時に即興演奏やその他の表現分野にも興味があり幅広く好奇心を持って模索している。昨年、秋に行われた「沈黙から」塩田千春展&アートコンプレックス2007(神奈川県民ホールギャラリー)で一柳慧×Unit2007「沈黙のヴィルトゥーゾ」に出演。

←中村さん(左)と寒川さん(右)、渋谷の音楽スタジオにて

Kentaro Taki and Yukiko Watanabe are composing new video-audio piece with "Sho -japanese traditional instrument" player, Yoko Nakamura and the pianist Akiko Samukawa. The piece will be shown in 26th Sat. at the event.

ビデオプロジェクターを持って屋外へ・・・

この日はbicameral world参加アーティストと共に屋外へ、ビデオプロジェクターを持って出て、ビルの壁面やシャッターなどにそれぞれの作品映像を投影するなど、イベントでのプレゼンテーションに向けて、フィールドワークを行いました。(瀧)

写真:魚屋さんの店舗前にある水桶に映像を投影すると…

2008年4月21日月曜日

触覚という感覚を手がかりにして

質感としての『Texturing』を符合された今回のテーマは、触覚と言う心理的に大きな作用を持つ感覚を、映像が都市へアプローチするための手がかりとしています。映像と触覚と言うと、自然には結びつきにくい関係性だからこそ、挑戦する意義を感じます。
 通常触れられない音は、20ヘルツという低音域で触覚においても知覚可能になると言います。
同様に触れる事ができない映像が、もし都市への質感として触覚的に知覚可能になるとすれば
それは一体どういったモノになるのでしょうか?
 これは、都市の巨大高層化が進み、そこにどう人が関わるのか?実はこの問題とよく似ているように思えます。故に映像が都市と人との関係性を発見或は提示する時、ある種の『Texturing』をもって、映像は都市に介入できるのかもしれません。(永岡)

永岡大輔
『プロセスとしての神話』をテーマに、インクや鉛筆などで線を繰り返し重ねて描くドローイングを中心に国内外で発表。ドローイングの延長としての映像や立体作品なども制作してる。また、ワークショップやプロジェクトを通して複数の人と創る映像作品、スクリーニングプロジェクト、ライブパフォーマンスなどコミュニケーションワークとしての活動も積極的に行っている。
現在(~5/6)hpgrp GALLERY TOKYOにて個展『曖昧な庭』が開催されている。

2008年4月20日日曜日

気付かれない場所に水を運ぶ

均質に計算されているようで、必ずそうではなくなっていく都市空間。 完璧な計画から、こぼれおちたものの集積。ズレていく複数の時間の風景が編まれて行く。そこに水(映像の)を運ぶこと。都市の中でも、忘れ去られた、人々に気付かれない場所を発見して、ひそかに映像を映してみようと思います。 (カトウ)

カトウチカ
油画出身だけれど、ビデオや写真、ドローイング、テクストなど多様な メディアを使用。いろいろな表現の感覚が、混ざり合って生まれる作品を国内外で、発表中。今、やっているのは、現実の空間にイメージと虚構のかすかなサインを インストールしていって、ゆるやかなイメージと思考のネットワークを編んでいくこと。イメージとイメージの間の時間について考えること。訪問者が、作品の一部になっていくこと。
最近は、東京で個展「Between」開催、ソウルで「Move on Asia 」、横浜で「食と現代美術 part4」芸術のれん街に参加。

夜の建造物に映像を投影した実験


イベントに先立って、新宿某所にて建造物にプロジェクターで映像を投影してみました。変わりますねー。まず感じが変わるし、静止しているビルに時間が与えられました。映像で都市に質感を与えられることを改めて確認しました。(瀧)

↑Youtubeの動画を見る

瀧健太郎
1973年生。様々な情報メディアをコラージュし、時間軸と空間軸に変換する作品を創り続けて定評を得ている。2002年より2年間ドイツにて欧州の前衛的なメディアアートのムーヴメントに習熟した。NPO法人VCT/ビデオアートセンター東京代表を務め、主体的にアートの状況を革新する活動で注目されている。最近では、>「目黒の新進作家-七人の作家、7つの表現」(目黒区美術館)、Images Festival(カナダ、トロント)などに参加。

都市の体温

人は無機質な都市に、緑を植える。
花を咲かせ、グレーな表面を彩ろうとする。
公園、街路樹、ベランダ、路地、屋上。

人は機械的な都市の中で、ペットを飼う。
想定外の出来事に戸惑いながら。
犬、猫、鳥、魚、小動物たち。

僕たちは便利さと引き換えに失ったものを、探しているのではないだろうか。

体温。
都市の体温。

空の色、緑の薫り、あたたかい手触り。
水たまりのゆらめき、鳥のなきごえ、甘い花の誘惑。

テーブルの上に一輪の花を飾るように、
ほのかな体温を感じる作品を、僕は作りたい。 (佐原)

佐原和人

(1975年東京都生まれ、東京在住)アーティスト/水彩画家。水彩、アクリル、墨など水溶性の画材を使い、絵画作品や映像作品を手がける。モチーフをシルエット状にし、浮世絵から続く日本的感覚をふまえた上で、日常の中にありながら、我々に見つけ出されるのを待っている美しさを発見しようとしている。手描きを表現の拠り所とし、体温を感じることの出来る作品制作を行う。また、水彩表現をさらに深めるため、膨大な数の原画を要する手描きのアニメーションも制作する。

国内外での個展、グループ展、映像上映、ワークショップ、パーティーイベントでのVJパフォーマンスで各ジャンルのアーティストとのコラボレーションを重ねるなど、幅広く活動。また、都立駒沢オリンピック公園に壁画を制作(2005年)したほか、TV・雑誌等各所で作品が紹介されている。
佐原和人作品・TAGBOATにて取扱中

2008年4月18日金曜日

都市の空気感を自分の作品で変えてみたい!

「都市の空気感を自分の作品で変えることができないかな?」と考える十一(トオハジム)。今回のアイデアについて語っていただきました。
「無論公共の場での作品発表となるわけですから、それが人々にとってプラスになるかマイナスになるかということは最重大課題です。」おっとこの先は当日のトーク内で語られます。十一はメリーゴーランドをイメージしたアイデアを考えているとか。(瀧)


bicameral world artist
十一 Hajimu Too(日本画家)1975年生まれ。多感にしてストイック、アナーキーでノスタルジック、アヴァンギャルドなのにファンタジー、ノンジャンルな日本画の手法を駆使する孤高の画家。想像力で季節を感じさせる作品を生みだす。「ぼくは思うんです。”何か”を創るってことがどれほど楽しくって美しいことかって。もちろん泣く日もあるのだけど、ぼくはケーキを作るようにその”何か”を創るのです。笑いながら、泣きながら、常に楽しく、美しく。」
次回当イベントvol.5(2008/7/26)を担当予定。

“Is it possible to change an atomosphere of urban space by my art piece?”, Too Hajimu saids. This time he’ll present his video projection plan based on an image of “Merry goaround”.
To is a Japanese style painting artist, born in 1975. He’s known as several fields of expressions.(K.T)

都市を巡る音楽とビデオの小品、作曲/編集中!!

今回、アップルストアのイベントの後半に、都市をテーマにした、映像と音楽のライヴ演奏を予定しております。ゲストに作曲家の渡辺裕紀子さんと共に、笙、ピアノ、ビデオが組み合わさった作品を作曲・編集しております。瀧が編集したビデオの部品をその場でプレイしながら、作業を行いましたが、だいたい形が見えてきました。うまくいけば面白いものになりそうです。笙に中村容子さん、ピアノに寒川晶子さんを迎えて、当日発表します。請うご期待!(瀧)

イベント情報は下記にあります。

写真:作曲中の渡辺さん

In the second part of the event "bw4" in apple store this time, Kentaro Taki and Yukiko Watanabea composer, present a live music/video piece based on the theme "video scape/cityscape". With instruments as "Sho"(japanese traditional instrument) by Yoko Nakamura, Piano by Akiko Samukawa and Live video by Kentaro Taki. Enjoy this! (K.T)

photo: Yukiko Watanabe is composing!

旅先でもbicameralworld!

ビデオアート、実験映像のフェスティバルImages Festival参加のため、カナダ最大の都市トロントを訪れました。旅先でも、bicameral world の為の映像を編集するなど、都市と映像、都市に質感を与えるビデオ映像の投影について考察してました。見よ、この真剣なまなざし!

ホテルのこの部屋、かつてローリング・ストーンズのメンバーも泊まったとか。部屋にポスターがいっぱい貼ってありました。「転がる石に苔むさず」ということの暗示か?(瀧)

写真:トロントのCNタワー(上)、13時間の時差に苦しみつつホテルでビデオ編集する瀧健太郎(下)


Kentaro works on video for "bicameral world" even on his travel to Toronto, Canada. He took part in video festival; Images Festival, then there also he worked on video would be shown in the event this time. (K.T) photo: CN tower, Toronto(top), kentaro fought with PC at his hotel room, where once Rolling Stones have stayed.(left)

2008年4月3日木曜日

第4回 瀧健太郎 Tokyo Video Texturing

art meets Mac
bicameral world―ふたつでひとつの世界―

第4回:瀧健太郎 Tokyo Video Texturing
現代アートの最前線で活躍するアーティストをご紹介するシリーズイベント。第4回の今回は、世界的に活躍するヴィデオアーティスト、瀧健太郎をホストに、様々な映像作家による「都市空間を使った映像作品」の提案をご紹介。ビルや壁面などを利用した映像を見ながら、映像と都市の新たな関係性について考えます。また後半には、都市と映像をテーマにした現代音楽作品の発表も予定しております。

4月26日(土)5:30 p.m.―7:30 p.m.
アップルストア銀座店
入場無料
http://www.apple.com/jp/retail/ginza/

参加アーティスト:
カトウチカ、佐原和人、瀧健太郎、十一、永岡大輔、松本力
ライヴ演奏:寒川晶子(ピアノ)、中村容子(笙)、瀧健太郎(ビデオ)、渡辺裕紀子(作曲)

主催:アップルストア銀座店

後援:深水社
http://www.shinsuisha-creative.com/

瀧健太郎のサイト
http://www.netlaputa.ne.jp/~takiken/

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art meets mac bicameral world vol.4

feat. Kentaro Taki/ Tokyo Video Texturing

The series event in Apple store to introduce activities of cutting edge artist in contemporary art field in Japan. This time the event will feat Kentaro Taki, videoartist, and he asked some other
video artists to shows their plan of video projection in public space in Tokyo, to see what happens the relationship between “Videoscape” and “Cityscape”. In the second part of event, live video-audio performance will come up.

participating artists:
Kato Chika, Kazuhito Sahara, Kentaro Taki, Hajimu To, Daisuke Nagaoka, Chikara Matsumoto, etc…

Live performance: Akiko Samukawa(piano), Yoko Nakamura(sho), Kentaro Taki(video),Yukiko Watanabe(composor)

26 April 2008
start 17:30-19:30
entrance free
http://www.apple.com/jp/retail/ginza/

Kentaro Taki website
http://www.netlaputa.ne.jp/~takiken/